「あなたが辞めたら、夜勤は誰が回すの?」
「入浴介助ができなくなって、利用者の命に関わってもいいの?」
慢性的な人手不足にあえぐ介護現場では、退職を申し出た職員に対し、このような「利用者の安全」を人質にした引き止めが横行しています。
責任感の強いケアワーカーほど、この言葉に罪悪感を覚え、心身を壊すまで働き続けてしまいます。
しかし、当ラボでは
人員不足は経営者の責任(マネジメントの欠陥)であり、一労働者であるあなたが法的に責任を問われる可能性は極めて低いと考えます
本稿では、介護現場特有の「道徳的ハラスメント」の違法性と、あなたの国家資格と人生を守るための「正しい離脱手順」について解説します。

「人手不足」は退職を拒否する理由にならない
まず、法的な大原則を確認しましょう。
施設長や管理者がなんと言おうと、日本の法律において「代わりがいないから辞めさせない」という理屈は通用しません。
経営者の「運営基準違反」を労働者に転嫁してはならない
介護事業者は、介護保険法および関連法令に基づき、適切なサービスを提供するために必要な人員を確保する義務(人員配置基準)を負っています。
※事業者は適切な人員体制を公表・維持する義務があります。
もし「あなたが辞めたら基準を割る(現場が回らない)」のであれば、それはあなたの責任ではなく、ギリギリの人員で運営を続けてきた経営者の「過失」です。
その経営責任を、労働者の「辞める自由(民法627条)」を侵害することで埋め合わせようとする行為は、決して許されるものではありません。
労働基準法第5条:強制労働の禁止
「辞めるなら損害賠償を請求する」「懲戒解雇にしてやる」といった脅しで、意に反して働かせようとする行為は、労働基準法第5条(強制労働の禁止)に抵触する恐れがある極めて悪質な行為です。
参考:労働基準法(e-Gov法令検索)
※第5条を参照
利用者の命を守るのは大切ですが、そのためにあなた自身の命や生活を犠牲にする必要はありません。
【金銭的防衛】「サービス残業」という借金を回収して辞める
介護職の方が退職代行を検討する際、ぜひ知っておいていただきたいのが未払い賃金の回収です。
介護業界では、以下のような「労働時間の未計上」が慣習化していませんか?
- 着替え・申し送り: 始業時間の30分前に来て準備をしている。
- 休憩時間の労働: 休憩中にナースコール対応や記録書きをしている。
- 移動・待機時間: 送迎の合間の待機時間が給与に含まれていない。
泣き寝入りするのではなく、長年尽くしてきた対価を「退職金代わり」として正当に受け取ることは、労働者の権利です。
介護職が選ぶべき「安全な離脱」のリソース
介護業界は狭い世界です。バックレのような形で辞めると、噂が広まり、次の転職に響くリスク(資格職としての信用毀損)があります。
だからこそ、感情的なトラブルを避け、法的にクリーンな形で契約を終了させる必要があります。
当ラボでは、以下の基準でサービスを選定することを推奨します。
1. 【推奨】未払い賃金を回収し、完全に縁を切る場合
「サービス残業代を取り返したい」「施設長がパワハラ気質で、家に来るかもしれない」という場合は、弁護士に依頼するのが唯一の正解です。
民間業者では「お金の請求」はできません。弁護士であれば、退職の意思表示と同時に「未払い賃金の請求書」を内容証明郵便で叩きつけることが可能です。これにより、施設側は法的な対応に追われ、あなた個人への嫌がらせをする余裕がなくなります。
- 推奨リソース:弁護士法人みやび サービス詳細
- 選定理由: 労働問題に特化した弁護士が直接稼働します。「着替え時間」や「休憩中の労働」の証拠(メモやシフト表)があれば、数十万円〜百万円単位の未払い賃金を回収できるケースも多々あります。
- コスト対効果: 費用はかかりますが、回収した残業代で十分にお釣りが来るため、経済的なメリットが最も大きい選択肢です。
2. 【円満重視】引き止めを回避し、静かに去る場合
金銭請求までは考えていないが、施設側の「泣き落とし」や「強引な引き止め」を振り切って、即日で退職したい場合の選択肢です。
介護職の退職で最も多いトラブルは、事務手続き(離職票の発行や制服返却)の遅延です。格安の事務的な代行業者では、こうした細かなフォローがおろそかになりがちです。
推奨リソース:退職代行ヤメドキ
- 選定理由: 労働組合連携による確実な交渉権と、丁寧な対応に定評があります。
- 特記事項: 「人手不足で大変なのは重々承知していますが、本人の健康上の理由でどうしても…」といった、角を立てない伝え方(大人の対応)を得意としています。業界内での評判を落とさずにフェードアウトしたい方に最適です。
まとめ:あなたは「組織の部品」ではない
「利用者のために」というあなたの優しさは、尊いものです。
しかし、その優しさに甘え、過重労働を強いる組織からは、逃げ出さなければなりません。
あなたが一人辞めることで、現場は一時的に困るかもしれません。しかし、それは「今の待遇では人が定着しない」という事実を経営者に突きつける、重要なメッセージになります。
自分を犠牲にするのではなく、プロフェッショナルとして、自分の資格と人生を守る選択をしてください。記事公開時の運用ポイント


