適応障害の診断書があれば即日退職は可能か?労働安全衛生法に基づく命の守り方と傷病手当金の受給要件

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適応障害の診断書があれば即日退職は可能か?労働安全衛生法に基づく命の守り方と傷病手当金の受給要件

心療内科で「適応障害」「うつ状態」という診断書を受け取ったものの、それを上司に見せる勇気が出ない。

あるいは、「診断書を出しても、引継ぎまでは働けと言われるのではないか」と恐怖を感じている方へ。

結論から申し上げます。医師の診断書がある場合、会社の都合や就業規則に関わらず、即座に身を引く(退職・休職する)ことが法的に可能です。

本稿では、Workplace Diversity Lab.の視点から、診断書を「法的な武器」として使い、自身の心身と生活(金銭)を守るための正しい手順を解説します。

目次

診断書は「ドクターストップ」という命令書である

多くの人が誤解していますが、診断書は単なる「体調不良の報告」ではありません。

医学的見地から発出された「これ以上働かせると生命・身体に危険が及ぶ」という警告書です。

企業の「安全配慮義務」違反

企業には、労働契約法第5条に基づき、従業員が安全に働けるよう配慮する義務(安全配慮義務)があります。

もし会社側が、医師の診断(ドクターストップ)を無視して出勤を強要し、その結果あなたの症状が悪化した場合、企業は安全配慮義務違反として損害賠償責任を負うことになります。まともな判断ができる企業であれば、診断書が出た社員を無理に働かせるリスクは冒せません。

民法628条に基づく「即日退職」のロジック

通常、民法627条では「退職の申し入れから2週間」が必要とされています。しかし、病気の場合は話が別です。

「やむを得ない事由」による即時解除

民法第628条には、「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる」と明記されています。
参考:民法(e-Gov法令検索)※第628条(やむを得ない事由による雇用の解除)を参照

「医師により就労困難と診断された状態」は、客観的に見て「やむを得ない事由」に該当します。

したがって、明日からの出社を拒否し、そのまま退職手続きに入ることは、決して「バックレ」などの無責任な行為ではなく、法に則った正当な権利行使です。

【金銭的防衛】退職後も給与を受け取る「傷病手当金」

「今辞めたら生活できない」という経済的な不安が、退職の足かせになっていませんか?

会社を辞めても、一定の条件を満たせば、健康保険から「傷病手当金(給与の約3分の2)」が最大1年6ヶ月間支給されます。

退職後の継続給付を受けるための条件

退職後も手当を受け取るためには、以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。

  • 業務外の事由による病気・ケガであること(※業務上の場合は労災保険)
  • 仕事に就くことができない状態であること(医師の意見書が必要)
  • 連続して3日間休んでいること(待期期間の完成)
  • 退職日までに被保険者期間が継続して1年以上あること

特に重要なのは、「退職日に出勤しないこと」です。退職日に挨拶などで出社してしまうと、「働ける」とみなされ、受給資格を失うリスクがあります。

詳細な要件は、以下の公的機関のページで必ず確認してください。

メンタル不調時の退職代行は「弁護士」一択である理由

診断書があり、傷病手当金の需給要件を満たしている場合でも、自力での退職や、格安の退職代行業者を利用することは推奨できません。

なぜなら、会社側が「傷病手当金の申請書」への署名を拒否したり、遅らせたりする嫌がらせが頻発しているからです。

民間業者・ユニオンでは「書類作成の強制」ができない

傷病手当金の申請には、事業主(会社)の証明記入欄があります。

ブラック企業の中には「急に辞める奴に協力する義務はない」と開き直るケースがありますが、法的交渉権を持たない民間業者では、これを強制させることができません。

結果として、退職はできても手当が下りず、経済的に困窮する事態になりかねません。

弁護士による完全離脱という選択

メンタルが限界を迎えている時、会社と「書類を書いてくれ」「書かない」といった押し問答をするのは不可能です。

法的な代理人である弁護士に依頼すれば、以下の対応が可能です。

  • 即日退職の通告: 診断書を盾に、民法628条に基づく即時契約解除を通達。
  • 書類の回収: 傷病手当金の申請書や離職票の発行を、法的に強く請求。
  • 損害賠償の遮断: 「急に辞めたから損害が出た」等の不当な請求をシャットアウト。

推奨リソース:適応障害・休職退職に強い弁護士

当ラボでは、特にメンタルヘルス不調による退職事案において、以下の弁護士法人を推奨リソースとして挙げています。

参考:弁護士法人みやび サービス詳細

  • 選定理由: 労働問題に特化した弁護士法人が直接運営しています。単なる「退職の連絡」だけでなく、「傷病手当金受給のサポート」や「未払い残業代の請求」まで含めた包括的な対応が可能です。
  • コストパフォーマンス: 一般的な代行業者より費用は高くなりますが、傷病手当金(数十万円〜数百万円)を確実に受給できる環境を整えられるため、トータルの経済的メリットは最も大きくなります。

まとめ:自分を壊してまで守るべき会社はない

適応障害の診断書は、あなたの体が発した「緊急停止ボタン」です。

これ以上、無理をして会社に行く必要はありません。それは法律が許しません。

専門家(弁護士)を介入させ、会社と直接話すことなく、静かに、そして確実に、治療と生活のための環境へと移行してください。それが、あなたとあなたの家族を守るための、唯一の正解です。

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この記事を書いた人

編集長のアバター 編集長 Workplace Diversity Lab. 代表 / 職場環境アナリスト

元大手企業の人事部で10年以上、労働環境の整備やハラスメント対策に従事。
「組織の論理」で個人の尊厳が踏みにじられる現場を多数目撃し、独立。

現在は行動心理学や労働法に基づき、「個人が組織から身を守るための戦略(=退職)」を研究・発信している。

「逃げることは、負けではない。戦略的撤退だ。」 あなたが壊れる前に、論理と法律の力で「安全な場所」へ誘導します。

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